井上雅人バリトンリサイタル 曲目

まだ簡単な説明になっていますが、後日内容を充実させたいと思っています。

 

◇ 第1部 フィンランド歌曲

井上がライフワークとしているフィンランド歌曲より、井上が特に好んで取り上げている二人の作曲家、オスカル・メリカントとトイヴォ・クーラの作品より予定しております。

O.Merikanto オスカル・メリカント 1868 – 1924 フィンランド(生誕150年)

メリカントはシベリウスとほぼ同時期の作曲家です。

シベリウスが世界的に知られているのに比べ、メリカントは国内で人気がありました。

また、そのメロディーは非常に美しく、多くの優れた歌曲を残しました。

今回は

♦︎ Ma Elän 私は生きている!
♦︎ Soi Vienosti Murheeni Soitto 優しく響け わが悲しみの歌
♦︎ Hyvää yötä おやすみ
♦︎ Merellä 海にて
♦︎ Laatokka ラドガ

の5曲を歌う予定です。

生き生きとした”Ma Elän”、まるで日本歌曲かのような”Soi Vienosti Murheeni Soitto”、美しい”Hyvää yötä”、力強い”Merellä”、そして井上が最も取り上げる機会が多い”Laatokka”。当日は日本語対訳もご用意いたします。また、小瀧俊治さんにメリカントの美しいピアノ曲”ロマンス”を弾いていただく予定です。

T.Kuula トイヴォ・クーラ 1883 – 1918 フィンランド(没後100年)

クーラは、シベリウスの弟子で、まさにフィンランド内戦の時代を生きた作曲家です。

最後は悲運の死を遂げ、30代の若さで亡くなりました。

クーラの音楽は重くも情熱的で、彼の人生そのもののようです。その中に感じられる美しさは、メリカントとはまた違ったものです。

♦︎ Yö 夜
♦︎ Syystunnelma 秋の想い
♦︎ Tule armani きて、愛しい人

の3曲を歌う予定です。

“Yö”はCDにも収録した曲で、クーラらしい暗さ、重さが出ているバリトン向けの曲。
“Syystunnelma”は、井上がよく取り上げる曲ですが、聞きやすく、そしてクーラの個性がよく出ている作品だと思います。
“Tule armaani”は非常にドラマティックな作品。クーラの暗くも情熱的な音楽が良く活きています。

そして小瀧さんには、素朴さと美しさ、どことなく儚い感じもあるクーラの”結婚行進曲”を弾いていただきます。

昨年独立100年を迎えたフィンランド。クーラは独立の翌年亡くなったので今年が没後100年となります。

 

休憩

 

◇ 第2部 イタリアオペラ

A.Vivaldi アントニオ・ヴィヴァルディ 1678 – 1741 イタリア
♦︎ Aria  Se il cor guerriero (Tito Manlio)
アリア 戦をしたがる心が(ティト・マンリオ)

今回初挑戦の曲です。

時代が経っても色褪せることのない音楽。特にこのアリアはドラマチックで、聞き応えのあるバリトンのアリアとして、時々歌われることがあるようです。

 

D.Cimarosa ドメニコ・チマローザ 1749 – 1801 イタリア
♦︎ Duetto Signor, deh concedete ( Il Matrimonio segreto)
二重唱 どうかわかってください(秘密の結婚)
パオリーノ:鈴木蓮  ロビンソン伯爵:井上雅人

このオペラは大学院時代に初めて取り組み、その後も室内歌劇場での公演などで出演しました。

どことなくモーツァルトのメロディとも似たところが多い喜劇で、チマローザの作品の中では唯一上演回数が多い作品となっています。今回は教え子の鈴木さんに手伝ってもらい、バリトンのロビンソン伯爵と、伯爵の知り合いでジェロニモ家の召使いをしているパオリーノ(テノール)の二重唱を取り上げます。

 

V.Bellini  ヴィンチェンツォ・ベッリーニ 1801 – 1835 イタリア
♦︎ Aria  Ah! Per sempre io ti perdei (I Puritani)
アリア ああ!永遠に貴女を失った(清教徒)

ベッリーニは美しいメロディーが特徴の作曲家で、その音楽はショパンなど多くの作曲家に愛されました。

清教徒はベッリーニ最後のオペラで、このアリアは1幕で歌われるものです。戦いに行っている間に婚約者は他の男と結ばれ、その悲しみを歌いますが、このアリアの後に悲しみは憎悪へと変わっていきます。

 

G.Puccini ジャコモ・プッチーニ 1858 – 1924 イタリア
♦︎ Duetto Ora a noi(Madama Butterfly)
二重唱  手紙の二重唱(蝶々夫人)
蝶々夫人:金持亜実  シャープレス:井上雅人

プッチーニは世界的にも人気のあるイタリアの作曲家で、メロディックで波のように畝るオーケストレーションがドラマを盛り立てていきます。

蝶々夫人は日本が舞台ということで日本人にも愛されている作品です。

領事シャープレスと蝶々さんの二重唱。金持さんの声はプッチーニにあっているように思います。

蝶々さんの可愛らしさ、悲しみ、強さ、いろいろな面が見ることができるシーンだと思います。

 

U.Giordano ウンベルト・ジョルダーノ 1867 – 1948 イタリア
♦︎ Aria  Nemico della Patria(Andrea Chénier)
アリア 祖国を裏切る者(アンドレア・シェニエ)

こちらも初挑戦の曲です。

バリトンが憧れるアリアの一つでしょうか。

僕の声では最大限に重い部類に入る曲ですので、今まで歌ってきませんでしたが、今回挑戦してみたいと思っています。

 

当日、他にも予定しているものがあります。

それは当日のお楽しみということで。

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