モーツァルトの『魔笛』。
僕にとっては、とても縁があり、そして縁がなかった作品。
東京芸大に入学した時は、ちょうど新・奏楽堂が完成した頃で、こけら落としとして声楽科の教員・学生による『魔笛』が上演されました。その時に合唱で参加したのが最初の魔笛(観たことはありましたが)。
その後、バスバリトンとしてバス,バリトンのレパートリーを勉強していた中で、門下の重唱発表会というもので『魔笛』のザラストロ役を1本勉強させていただきました。
上京して割と初期の段階で、魔笛に触れる機会があったのですが、実はこれ以降が魔笛に縁がなく、モーツァルトでもフィガロやコジ・ファン・トゥッテなど、あとはヴェルディなどのイタリアものの出演が多くありました。なので魔笛で今までやったことがあったのはザラストロのみ!
そして今回、お声がけいただき初めてパパゲーノ役を演じることになりました!
初役と言うと、皆さんに「たくさんやってるかと思った!」と言われることも多いのですが、本当に初。
楽しみです。
パパゲーノは、タミーノのように試練に真っ直ぐ向き合うタイプではないですが、自分に正直で、人生を心から楽しみ、憎めないキャラ。いろいろな解釈があるかと思いますが、僕は、ありきたりかもしれませんが、モーツァルトが苦しい環境のためフリーメイソンに傾倒していく姿がタミーノ、でも実際はこう生きたかったな、、というのがパパゲーノ、という投影、という解釈でいます。
ザラストロの狩野賢一さんとは、オペラシンガーズでご一緒したことはあったかと思いますが、ソリストとして共演するのは初で、素晴らしい美声で、ザラストロとして引き締めてくださっています。
パミーナの田中宏子さんとは今までにも「椿姫」「シモン・ボッカネグラ」などで共演させていただきましたが、艶があり最後列まで通る声が素晴らしいです。
そして何より演出の直井研二さん。
僕にとっては直井「先生」なのですが、芸大で大変お世話になり、大学院でのオペラ公演「コジ・ファン・トゥッテ」で演出していただき、卒業後も「椿姫」「カルメン」などでお世話になりました。
最後に、今回は武士1で出演の田代誠さん。「マクベス」で初めてご一緒して以来、気にかけてくださりアドバイスもいろいろといただきました。今回は役としては絡みがありませんが、プリモの素晴らしいお声と存在感は本当に素晴らしいです。
チケットはまだ少しあるようなので、お申し込みはお問い合わせページよりご連絡ください。
2018年4月30日(月・祝)14:00
モーツァルト『魔笛』日本語上演
会場
曳舟文化センター
演出:直井研二
指揮:珠川秀夫
ザラストロ 狩野賢一
夜の女王 増田亜美
タミーノ 栗飯原俊文
パミーナ 田中宏子
パパゲーノ 井上雅人
パパゲーナ 小澤美咲紀
侍女1 阿部祥子
侍女2 浅川荘子
侍女3 野田千恵子
弁者/神官1 下瀬太郎
神官2 金井龍彦
神官3 伊藤大貴
武官1 田代誠
武官2 伊東剛
モノスタトス 石塚幹信
主催
すみだオペラ
料金
6,000円 (S席)
5,000円 (A席)
4,000円 (B席)