まずは、ご来場下さいました皆様に、心より御礼申し上げます。
お客様の雰囲気が非常にあたたかく、良い空間の中で演奏をすることができました。
本当に、多くの方々の協力無しにはできない公演でした。
芸大大学院修了後の本格的なオペラデビュー(「コジ・ファン・トゥッテ」グリエルモ役(若杉弘指揮・東京フィル))から約10年。
集大成、といいますか、今まで取り組んできたこと、これからやっていきたい方向性などを凝縮したつもりです。
プログラミングは非常に悩みました。
通常のリサイタルと違い出演者が多いこと、フォルテピアノとモダンピアノを使用する事、シベリウス生誕150年の内容を組み込むこと。
プログラムをどう組むかでコンサートの印象もガラッと変わります。
その点では、自分らしく、また流れも自然なものにできたと自負しています。
ただし、大曲 をここまで多く組み込む事は普段しないので、非常に大変でもありました。
無事終えることができたのも素晴らしい共演者のみなさんのおかげです。
特にフォルテピアノ「エラール」とモダンピアノ「スタインウェイ」の2台のピアノを弾きこなしてくれた川口成彦君には心から感謝です。
今回聴けなかった川口ファンは非常に損をしたと思います(笑)
エラールでは「イゾルデの愛の死」でその多彩な音色を引き出し、スタインウェイでは「急流下りの花嫁」で13分の超絶技巧の嵐を聴かせてくれました。
素晴らしい音楽仲間であり、これからのさらなる飛躍を応援しているピアニストです。
機会を見て「冬の旅」などもフォルテピアノでやろうと話しています。
素晴らしい音色を響かせてくれたヴァイオリンのヤンネ舘野さん。
僕の故郷山形県の山形交響楽団の第2ヴァイオリン首席をしているヤンネ。
その縁で仲良くなり、一緒にコンサートを開いたのがフィンランド歌曲と出会うきっかけでした。
その人柄がにじみ出るような、あたたかく心地よい音色にお客様も魅了されていました。
音楽仲間であり、フィンランド歌曲と出会うきっかけを作ってくれた恩人です。
ソプラノの金持亜実さんは、僕が学生だったころから非常に印象の良い歌を歌っていて、何度もコンサートに出てもらっていました。
やはり金持さんの人柄のあわられた、落ち着いて品格ある歌。
お互い花粉症には苦しみましたが(苦笑)
彼女の良さはオペラよりも歌曲で引き出されると思い、ワーグナーの歌曲を歌っていただきました。
素晴らしい演奏をしていただきました。
そしてテノールの榛葉樹人君。
以前二期会のアフタヌーンコンサート(ヤマハホール)でご一緒した際、非常に誠実で印象の良い演奏をされていて、今回出演をお願いいたしました。忙しい中出演してくださりありがとうございました。
歌っていただいたのは、マクダフのアリアと、フィナーレ部分。
他の方々もそうなのですが、本当に演奏家としてだけでなく、人として素晴らしい方々に恵まれ本当に感謝しています。
そして合唱で出演してくれたみなさん。
出番は少なくて申し訳なかったですが、一生懸命取り組んでくださり、本当にありがたかったです。
マクベスでは侍女役で谷石奈緒子さん、マルコム役で藤崎優二君にソロも歌っていただきました。
藤崎君は教え子で芸大に合格した第1号で、主役を張れる声量・音色、高音を持っているバリトンです。
もっともっと、大きな役を勝ち取っていってほしいです。
合唱の連絡などは青木海斗君がまとめてくれました。同じく教え子の一人で、今年は芸大大学院オペラ「フィガロの結婚」で伯爵役を務めるそうです。頑張ってください。
合唱の指導、そしてアンコールでの「フィンランディア賛歌」の編曲は、テノールの金沢青児君が担当してくれました。
芸大作曲科から声楽科に入り直したのですが、作曲科時代の3年間、歌をみていました。素晴らしい編曲をありがとうございました。
音大生以外にも、慶應のワグネル男声合唱団OBの呉文慧君、現役の山崎聡一郎君も出てくれました。
山崎君も生徒の一人ですが、非常に通る、そして音域の広い声を持っています。
芸大楽理科の玉前優人くんも声楽を習っていて、今回急遽出てくれましたが、しっかり務め上げてくれました。
マクベスの黒系の衣装と、アンコール用の華やかなドレスを用意してくださった女性合唱のみなさん、田中未来さん、辰井優子さん、吉川歌穂さん、そして谷石さん。
少なく申し訳なかったのですが、非常に舞台が華やかになりました。それに色々考えてくださり、本当に助かりました。
ありがとうございました^^
実際プログラムを決める際、少ないから無しでも良いかな、とも考えたこともあったのですが、やはり出ていただいて大正解でした。感謝です。
最後に、今回のリサイタルは後援会のご協力無しには実現しませんでした。
素晴らしい会にしてくださった事、心から、御礼申し上げます。
↑チラシ ↓プログラム どちらもオフィス・ルーチェの相澤さんのデザインです。
開演前のプレトーク。
今回はプログラムがびっしりだったので、プレトークにて、楽器の説明や曲についての解説などをお話ししました。
第一部 エラールとともに
(エラール1867年製 使用)
フランツ・リスト作曲
・おお愛しうる限り愛せ
ワーグナー=リスト編
・イゾルデの愛の死(フォルテピアノ独奏)
エドヴァルド・グリーグ作曲
・歌曲集〈心のメロディー〉(全4曲)
— 茶色のふたつの瞳
— 海の永遠の動きをあなたは知らない
— 君を愛す
— ぼくの思いは高い峰のように
ガブリエル・フォーレ作曲
・パヴァーヌ(ヴァイオリン独奏)
第二部 ワーグナーとヴェルディ
リヒャルト・ワーグナー作曲
・ヴェーゼンドンク歌曲集 より
「天使」「痛み」(ソプラノ独唱)
リヒャルト・ワーグナー作曲
・歌劇〈タンホイザー〉より
「夕星の歌」
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
・歌劇〈マクベス〉1847年版 4幕より
— マクベス:井上雅人
— マクダフ:榛葉樹人
— マルコム:藤崎優二(兼 合唱)
— 侍女:谷石奈緒子(兼 合唱)
— 合唱
マクベス初版の最後、マクベスのモノローグ
第三部 フィンランドの音楽
(スタインウェイ 使用)
オスカル・メリカント作曲
・人生に
・ラドガ湖
トイヴォ・クーラ作曲
・秋の想い
(歌、ヴァイオリン、ピアノの編成版)
ジャン・シベリウス作曲(生誕150年)
・急流下りの花嫁
・ノヴェレッテ(ヴァイオリン独奏)
・バリトンと男声合唱による「火の起源」
アンコール
シベリウス「フィンランディア賛歌」(金沢青児編曲)/グリーグ「君を愛す」
高校の同級生二人と
観世流能楽師シテ方の武田文志さんと
「武楽」の源光士郎さんと
中学の先輩にあたる、フジテレビ「世界行ってみたらこんなところだった」出演中の庄司さんと。
MALULANI HAWAIIの輝咲さんよりいただいたお花
共演してくれた4人の仲間たちと
出演者全員で
ポスターに共演者のサインを。宝です。
共演者のみなさんの協力と、お客様のあたたかい雰囲気とで、無事終えることができました。
本当に、ありがとうございました。