なぜフィンランド歌曲?

よく「なぜフィンランド歌曲なんですか?」とか「どうやってフィンランド歌曲と出会われたのですか?」など聞かれる事がありますので、今日はフィンランドの話を。

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フィンランド歌曲との出会い
(フィンランド歌曲のページにも書いてあります)

僕は山形県出身で、度々山形交響楽団さんのコンサートに出させていただきました。
その山形交響楽団の第二ヴァイオリンの首席、ヤンネ舘野氏と仲良くなり、東京で一緒にコンサートを開催しました。その時に、ヤンネの出身であるフィンランドの曲を一曲歌ってみよう、という事になり、オスカル・メリカントという人の「金のかけら Kullan murunen」という歌曲を演奏しました。

Sinä kullan murunen, kullan puhtahimman,
君は金のかけら それもとっても純粋な金のかけら
minä vasken palanen, vasken ruosteisimman.
僕は銅の破片  それも錆びきってしまった銅の破片
Minä kultahan kun sulan, vältän ruostumisen pulan.
僕は金と解け合う事で 二度と錆びる事はないんだ
Sinä kullan murunen, kullan puhtahimman,
君は金のかけら それもとっても純粋な金のかけら

とても良い曲で、もっとフィンランド歌曲を勉強してみたい、とヤンネに話したところ、ヤンネのお母様であるメゾソプラノのマリア・ホロパイネン先生を紹介していただきました。
東京でお会いし、その後ヘルシンキに行き、レッスンしていただきました。

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フィンランド歌曲の魅力と難しさ

フィンランド歌曲の特徴としては、まず美しさにあります。北欧の国フィンランドならではの透き通ったようなメロディや、力強さ。そしてそれは日本人の美的感覚に非常にマッチしています。
現代作品は好みが分かれるところもありますが、特にシベリウス近辺の作曲家たちの作品は非常に聴きやすいものが多いです。
一方、広まらない理由の大きなものとして、「言語の壁」があると思います。
フィンランド語は決してメジャーな言語ではなく、世界的に見てもフィンランド歌曲をレパートリーとしている歌手は多くはありません。膠着語で、活用は15格ほどあり「悪魔の言語」とも言われます。
しかし、日本人には意外と取組みやすい言語でもあります。
フィンランド語の響きは、日本語と近いところもあり、また、文法も他のヨーロッパの言語に比べ日本語のほうが近いところもあります。

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遠いようで近いフィンランド

人種的にも実は近いようなのですが、日本人と性格が似ているところもまた、惹かれる要因ではないかと思います。シャイな人が多く、特に男性のほうがシャイで無愛想。しかし話してみると良い人が多いです。また、親日家の多い事も特徴的です。
他のヨーロッパの国同様、日本の漫画なども非常に人気です。フィンランドに住む日本人は多くないですが、日本に興味のあるフィンランド人は比較的多いのではないかと思います。
そして、飛行機の時間。
北欧は多い、というイメージですが、実は飛行機でフィンランドまで10時間かかりません。
他のヨーロッパの国へ行くよりも近かったりします。むしろ、フィンランド経由で他の国へ行く場合もあります。

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もちろん日本人で僕よりも先にフィンランド歌曲に取組んでいらっしゃる方々もおります。
そういった人たちが、少しでも増えて行ってくれたらよいなあと思っています。

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