前回の「声種(バリトンとは?)」のお話に続いて、今度は「オペラ」など、普段出演している公演の「形態」についてのお話です。
井上が出演する公演は主に大きく分けて2つ。
・コンサート
・オペラ
です。
まずコンサートについて。
こちらは内容は様々です。
編成の小さなものすと、声楽家+ピアニストの2名で行います。タキシードなどのコンサートの衣装を着て、ホールで演奏します。自分のソロの演奏(ピアノなどの共演楽器をともなった場合も)がメインのものは「リサイタル」と称する場合もあります。
他に複数の奏者、歌手で行う場合もあります。内容は、外国歌曲だったり日本歌曲だったり、オペラのアリア(ソロナンバー)や重唱などを歌ったりもします。公演によって色々です。
また、オーケストラでの公演も「コンサート」の部類に入ります。ベートーヴェンの「第九」ソロなどもそうです。「メサイア」などの宗教曲の公演も「コンサート」と捉えることが主です。
時間は30分程度のミニコンサートや、2時間くらいのリサイタルなど様々。
長いものであれば途中で1回〜数回休憩を挟みます
続いて「オペラ公演」について。
こちらは、歌(キャスト、合唱)、オーケストラ、演技、美術(照明、舞台)、衣装、バレエ(作品による)、等多くのジャンルが関わり、「総合芸術」と言われるものです。
発祥は1600年頃に遡り、これは日本の「歌舞伎」と同じくらいの歴史となります。
一つの劇としてのストーリーがあり、歌と、場合によっては台詞も挟み、演技をしながら進行していきます。
中・大規模な公演では、日本語の字幕も付き、イタリア語などの歌詞の内容がわかるようになっています。
ミュージカルの基にもなった舞台芸術のジャンルです。ただし野外劇場などの例外を除いてはマイクは使わずに歌います。
また、ピアノ伴奏での公演や、抜粋での公演、演技を伴わない公演(コンサート形式)などもあり、この場合は規模や内容によっては「コンサート」と捉える場合もあります。
オペラ作品も、メノッティの英語のオペラ「電話」など30分かからないものから、ワーグナーのような数時間に及ぶ大規模なものまで様々です。
鑑賞するときの服装について
これは初めは皆さん悩まれると思います。一言で言えば、決まりは特にはありません。
昔はオペラの会場などが「社交の場」でもあったため着飾っていく人が多かったですが、今は規模や場所にもよります。
ウィーンの歌劇場などにある立ち見席などはジーパンで聴きに来る学生さんなどもちらほらいました。
ヘルシンキの劇場ではS席など良いお席のお客様はスーツやタキシードの方もいましたが、日本ではそこまでしないで、ジャケット程度までで良いかと思います。素敵なお着物でいらっしゃるマダムもお見かけします。
もちろん暑い夏場に無理にジャケットを羽織る必要もないです。
さすがにサンダルに短パンとなると浮いてしまうかもしれませんが、、百貨店などにお買い物に行くくらいの装いであれば心配いらないと思います。
慣れてきたら、会場の雰囲気に合ったオシャレをしていくのもまた楽しみでもありますね。