三木先生の“遺言コンサート”である「三木稔メモリアルコンサート」、終了いたしました。
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すみだトリフォニーホール大ホール
演奏作品:
弦楽合奏による<北京祷歌>(Beijin Requiem)
・指揮 榊原 徹
邦楽合奏による<コンチェルト・レクイエム>(Concert Requiem)
・指揮 田村拓男
・ソリスト:木村玲子
混声合唱のための<レクイエム>(Requiem for Chor)~管弦楽完全版初演~
・指揮 大勝秀也
・ソリスト:宇佐美瑠璃(Sop)井上雅人(Br.)
・合唱指揮 岩佐義彦
演奏:
三木 稔メモリアル管弦楽団(約55名)
三木 稔メモリアル邦楽合奏団(約40名)
三木 稔メモリアル混声合唱団(約160名)
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1800席の客席が一杯となった会場で、想いを一つにした音楽家たちによるコンサート。
ベテラン揃いのコンサートの中で、若輩者の自分がバリトンソロをさせていただいた事は、非常に光栄な事であると同時に、プレッシャーもありましたが、精一杯、心を込めて、歌わせていただきました。
三木先生との出会いは、芸大同期のソプラノの飯島さんの学位審査でのオペラ『春琴抄』でした。佐助という主役級の役を演じたのが、三木作品との初めての出会い、そして三木先生との出会いでもありました。
その際に三木先生からいただいたメッセージがあります。
長文ですので、一部を掲載いたします。
井上雅人君
本番での細かいことは自分がわかっていれば、私が文句を言う必要が無いと思います。それより久しぶりに新しい佐助を歌える歌手を発見してとても嬉しく思っています。
今の不況は数年続くでしょうから、この3月で80歳になる私が生きているうちに、大作ばかりの「日本史連作」上演チャンスは少ないと思いますが、日を追って重要性が増し、上演機会は多くなると確信していますので、是非歌ってください。
〜 略 〜
是非これから何十年、頑張って日本を一流のオペラ国にしてください。それには国際性と日本のアイデンティティを持った日本人作曲者のオペラが、輸入オペラとは別にメインレパートリーの中心にならなければ世界一流はお笑いです。その片鱗を感じていただいた今回の《春琴抄》の抄が、あなたにとって考えるいい機会だったとしたらとても嬉しいです。
頑張ってください。
三木 稔
お会いした時の印象は、非常に穏やかな方という感じでしたが、非常に熱い情熱をお持ちの方なのだと思いました。
そして、2012年1月、三木先生の故郷徳島にてオペラ『じょうるり』を上演した際に、主役級の一人、阿波抄掾という重要な役をやらせていただきました。
その稽古の最中、三木先生の訃報が届きました。
追悼公演となってしまった『じょうるり』。
その後も、三木先生からのメッセージを心に刻み、頑張ろうと取組んでいたある日、今回の『レクイエム』バリトンソロの話をいただきました。
三木先生の想いによって、三木先生のご家族、友人たち、音楽家たち、非常に多くの方々の思いによって、今回のコンサートが企画されました。
一生、忘れられないコンサートになると思います。
ご来場くださいました皆様、関係者の皆様、そして天国の三木先生、全ての方に感謝いたします。
写真は、会場に来ていたソプラノの飯島さんと、「じょうるり」で共演させていただいた三味線の山崎さん(今回も邦楽合奏でご出演なさっていました)と。
One Response to “三木稔メモリアルコンサート”
尺八奏者 渡辺淳
井上雅人さん
13日はお疲れさまでした。
ブログ見ていただきありがとうございます。
楽器・編成が違っても三木先生の思いは共通ですね。