井上雅人バリトンリサイタル2019

 

誕生日である6月29日に、素晴らしい音響のホールでリサイタルを開催いたします。

私がここまで歌い手としてやってこれたのは、自分の努力だけでは到底成し得なかったことです。
お客様をはじめ、師、家族、友、、、様々な人たちとの縁によって、支えによって、今ここに至っていると思います。

「誕生日にリサイタル」という形は昨年初めて行ったのですが、それは祝ってもらいたい、ということではなく、「感謝」を演奏を通して皆さんに伝えたい、という思いから取り組みました。
今年は運よく土曜日に当たり、しかも五反田文化センターが取れたということで、開催いたします。

また、私はよく自分の教え子をリサイタル内で演奏させたりすることがあります。
それは、自分が責任を負えるところで、経験を積ませてあげたい、という思いからです。
自分は教え子だからといって他の現場に特別に便宜を図ったりということはしない主義です。
自分の亡き師がそうであったからです。それは、外の世界では自分の力で生きていかなければならず、師にいつまでも負んぶに抱っこ、というわけにはいかないからでもあります。
その代わり、師は大きな公演などは都合がつけば聴きにいらしてくださいました。
応援をすることと甘やかすことは違う。そこは大事にしたいと思っています。

昨年も歌ってもらった鈴木蓮くんは教え子でありますが、まだまだこれからの素材。
この場が成長の場として、そして新たな縁へとつながってくれることを祈っています。

また、女声陣は同郷、山形県出身の後輩たちに出てもらいます。
ソプラノの髙橋慶さん、中嶋彩香さん、メゾソプラノの佐藤涼香さん。
彼女らもこれからの未来ある、素晴らしい輝きを持った若手声楽家たち。
きっと、これから様々な場で活躍していくであろうと思います。

ピアノは渡邊智道さんにお願いしました。
独自の世界を開拓している若手ピアニストですが、彼にもまたさらなる成長を期待しております。
今回様々な歌曲、そしてイタリアオペラとさらに触れることによって、新たな息吹を感じてもらいたいと思っております。

僕自身、この公演を楽しみにしております。

そして内容は、自分の過去、現在、未来をつなぐものとして組みました。

第1部は歌曲。
出発点であるドイツリートに始まり、2015年のデビュー10周年リサイタルで取り組んだグリーグの「心のメロディ」、そして初めて取り組むウルマンの「ハーフィズの歌の本」。
ナチス・ドイツに「頽廃音楽」とレッテルを貼られ、弾圧さたウルマン。ユダヤ人であった彼は、最終的にアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に入れられ、ガス室で命を落としました。
今回はお酒と女に絡んだユニークな作品を取り上げますが、そういう背景を持った彼の作品を取り上げることには、平和への想いも込められています。

第2部はイタリアオペラ。
20代の頃によく歌っていたレパートリーのものから重唱取り上げます。
初心に帰る、という意味合いもあります。
研修所修了後に最初に学んだ「仮面舞踏会」の中のアリアも歌う予定です。

負担も多いプログラムですが、今の自分が最大限頑張ってできるところで組んだつもりです。

また、ゲストも3人、お願いしております。ミュージシャンと、テノール。そして盟友音楽家。
お楽しみにしていてください。

昨年より100席多い会場、たくさんの方に聴いていただきたいです。
ぜひ、お越しください!